【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。〜その3

先日、すっかり放置してたGoogleアナリティクスをチェックしてみたら、このブログでいちばんアクセスが多いページがなんとairbnb関連の記事でした。

【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。〜その1
【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。〜その2

みんなやっぱり興味あるんですねー。airbnb的副業の可能性について。ふむふむ。
現状、airbnbがはらむ違法性については、上記の記事を読んでいただくとして、
今日はソレ関連で新しい動きがあるようなのでちょっと調べてみました。

空き物件を旅人に宿として提供! エイブルととまれるが賃貸の新サービス開始 ー マイナビニュース

「空き家」激増…全国で利活用が拡大 シェアハウス転用、バンク後押し (1/4ページ) ー Sankeibiz

ついに来ましたねー。国家戦略特区の規制緩和を見込んだビジネス。
今回、エイブルと業務提供を発表した「とまれる」は、
空き物件と旅行者をつなぐマッチングサービス。
https://tomareru.jp/

TOMARERU_スクリーンショット.png

つまり、airbnbの空き物件バージョンですね。
T氏が言ってた「プラットフォームがいちばん儲かる」っていうのを地でいってます。
ここで、旅館業法の規定の除外がうけられる施設の条件についておさらい。

・最低滞在日数が7〜10日以上
・一居室の面積が原則25cm2以上
・台所、トイレ、バス付き
・換気、採光、照明、排水、冷暖房などの設備完備
・生活に必要な家具付き(寝具、テーブル、イス、収納、調理器具など)

で、4月1日に施行された国家戦略特区法施行令では、
「ちゃんと条件を満たしてるよー」と国家戦略特区の対象となる地域の
都府県知事が認めた施設に限り、旅館業法の規定が除外されるそうです。
さらに、東京都では「最低滞在日数=4日」「台所が共用の施設もOK」と
さらに条件をユルくした独自の提案書を作ってるみたいです。

ただですね、これが通っちゃうと、これまで旅館業法をしっかり守って営業してきたホテルや旅館とてしては、心中穏やかではないはずです。
ホテル・旅館業界向け情報紙「国際ホテル旅館」の5月5日付けの記事によれば、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合が猛反発しているそうです。
「法を遵守することで業界が守って来た安全や防災を崩しかねない」と。
そりゃそうだ。うん、わかります。

実際、先日キナ臭い「事件」もありました。
軽井沢の高級別荘に1泊から宿泊できるサービスを「Yahoo!トラベル」が始めたところ、
厚生労働省から秒速で圧力がかかりつぶされたという件。
「Yahoo! トラベル」の別荘レンタル、開始1カ月で休止「法解釈で行政側と相違」ーITmedia

これは旅館業法の適用外じゃないエリアでやってしまったことと、規模がでかすぎてお上も無視できなかった、ということじゃないかな。つまり、現時点で airbnb は「お目こぼし状態」だけど、そのうちもっと一般に浸透してみんながやりはじめたらぐわーっと規制がかかってくるんだろうなーと。目に浮かぶわぁ。

そこで気になるのが「とまれる」は大丈夫なのか、ということ。
上記の記事によれば、CEOの三口聡之介氏は、ホテルや旅館が空き物件を満室時の”臨時宿泊施設”として利用するBtoBモデルを提唱しているそうです。
つまり、ホテルや旅館が満室で受け入れできないお客さんや長期滞在希望のお客さんを「とまれる」を利用して、空いてる賃貸物件に「送客」するわけですね。ホテルとしては、宿泊ニーズの変動リスクを負うことなく、稼働率・売上げを拡大できるし、不動産賃貸業者も空室リスクが減るし、宿泊客はコストを抑えながら多様なスタイルで滞在できて、みんなハッピー! というわけです。なるほど、その手があったかー!

というわけで、この「とまれる」ってサービスはなかなか期待できそうです。もうちょっと詳しく知りたいなーと思って調べてみると、CEOの三口さんは 百戦錬磨 という会社の取締役もされているようですね。どんな会社なのかと思ってググってみると、仙台が拠点の企業とな。

代表取締役の上山氏は、Klab、楽天トラベルの執行役員を経て、2012年に百戦錬磨を創業したという経歴の持ち主。観光庁の観光産業政策検討会や旅行産業研究会の委員も務めてらっしゃる。

そして「とまれる」を運用する「とまれる株式会社」は百戦錬磨の子会社なのですねー。ふむふむ。

このへんの事情から勝手に予測すると、すでにサービスに関して、観光庁にしっかりと理解をもとめ、コンセンサスを得ているのでしょう。
だってウェブサイトに「TOMARERUは国家戦略特区構想に準拠したサービスです。」て書いてあるし!

でも「とまれる」が、最初からBtoBモデルを想定したサービスなら、個人の出番は……あんまり……ないような気が……。
それに国家戦略特区内では、airbnb が思いっきり競合になっちゃうわけで、「とまれる」にお上のお墨付きがある以上、それこそ airbnb というサービスはYahoo! トラベルの二の舞になるんじゃ……。なんていう風に思った次第。

やっぱり個人がかんたんに不労所得を得るっていうのは、いろいろハードルが高いんですね。

というわけで、現状個人ができるのは、今すぐ airbnb を始めて、いろいろ圧力かかる前に稼げるだけ稼いで
キナ臭くなってきたらいさぎよく撤退、ってのがベストな気がします。

それでは本日の皮算用はこれにてー。

Text by Risa Shoji

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