大田区の町工場を知り尽くす「おおたオープンファクトリー」に行ってきた vol.3

11月25日(土)に参加した「おおたオープンファクトリー」のレポート第3弾です。

レポート第1弾はこちら「大田区の町工場を知り尽くす「おおたオープンファクトリー」に行ってきた vol.1

レポート第2弾はこちら「大田区の町工場を知り尽くす「おおたオープンファクトリー」に行ってきた vol.2

区内だけで 3000以上 の町工場があるというものづくりの町、大田区。一年に1度、その工場を見学できる貴重すぎるイベント「おおたオープンファクトリー」で、いろいろ体験してきましたよ。

いくつかの工場を見学したあと、武蔵新田エリアから矢口渡駅方面に移動します。

ここでもう一回、新田丸エリアの地図を貼っておきますね(クリックで拡大できます)



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見学した工場⑧ シナノ産業 株式会社

次に見に行ったのは「シナノ産業」です(マップ上の18番)。

こちらはプラスチックの切削や精密加工を得意とする企業。顧客から依頼された図面のとおりに、さまざまなプラスチック材料から製品を作ります。加工には、コンピューター制御のマシニングセンターや熟練の職人さんが扱う彫刻機などが使われます。

見ての通り、四角形や円柱形の素材を、ものすごく複雑な形状に切削・加工することができるのですが、見てくださいよ、この技術! 何をどうやったらただの四角形がこんな形になるの?

入り口では「プラスチック素材の中でいちばん価格が高いものと安いものを当ててね」というクイズが。うちの息子も私も見事に外れました。でも、プラスチックの目利きとかいって超難しいよ。

ちなみに、高いのは茶色の「ベスペル SP-1」やベージュ色の「PEEK」という素材。これらは耐久性や耐熱性にすぐれていて、スーパーエンジニアリングプラスチック(略してスーパーエンプラ)と呼ばれているんだって。ベスペルなんかは、ものすごく硬いので航空部品とかにも使われるらしいよ。

クイズに正解した人にだけもらえる賞品「シナちゃん」。シナノ産業のイメージキャラクターです。

こちらはしなちゃんの設計図。この形に機械が削り出すわけですね〜。撮影許可はいただいたけど、いちおう気を使って数値とかの部分は画像加工してみました。なんせシナノ産業さんのイメージキャラクターですからね!

ところで、こういう「ものづくり産業」の道に進みたい人って、大学ではどういう専攻で、就職はどうやって決めて要るんだろう。。と素朴な疑問が浮かび、社員の方に聞いて見ると、なんとその方は元・教員だったそうです! 昔からものづくりに興味があり、教員を辞めてこの道に進んだそうですよ。そういう人もいるんですね〜。ていうか、いろんな工場で、スタッフの方たちにそういう話をもっと聞きたかったなあ。

見学した工場⑨ 有限会社 アイエヌビー

アイエヌビー」(マップ上の22番)は1965年の創業。自動機械設計・製作やさまざまな部品加工を請け負う工場です。

機械設計では、企画から設計〜加工〜組み立てまで一貫生産を行っているそうです。また、最新の5軸マシニングセンタなどで多様な部品の加工にも対応しています。 某テーマパークのアトラクションの部品も作っているそうですよー!

こちらでは「ハンドスピナー組み立て体験」ができると聞いてやってきたのですが、私たちが到着した時点(15時すぎ)には完全に品切れでした。ですよね〜。またもや参加できなかった息子。。

がっかりしてるかと思いきや、工場内に展示されていた空気圧で動くラジコンに目を奪われてましたw 社員の方のご好意でラジコンを操作させてもらえることになり、すっかりご満悦。よかったよかった。

画面には見切れていますが、スタッフの方がいっしょうけんめい動力源の空気入れをずっと動かしてくれていました。本当にありがとうございました〜

見学した工場⑩ 有限会社 ウェディア

さて、矢口渡駅から東急多摩川線に乗車し、下丸子駅へ移動。回りきれていなかった工場をダッシュで訪問!

この時点で15時20分過ぎ。オープンファクトリーは16時に終了してしまうので、急ぎ足で向かったのはシルクプリント工場の「ウェディア」(マップ上の1番)。

ここではTシャツやスウェットなどへのシルクプリントや二次加工を行っています。この日は見学者向けに無料のプリント体験を提供してくれていました(Tシャツにプリントする場合は有料)。

息子と夫もシルクプリントにチャレンジ。工場のお兄さんがやさしく指導してくれます。

おおたオープンファクトリーのロゴがプリントできました!

こちらは完成品を持って記念撮影(自宅)

パパが作った下丸子プリントも変顔で記念撮影。デザインがイケてる。

ウェディアさんは、クラブなどの仲間でおそろいのTシャツを作ったり、オリジナルデザインのTシャツを作ったりというオーダーのほか、1枚〜の小ロットにも対応しているそうなので、興味がある方は問い合わせてみてください〜

見学した工場11 有限会社 共栄溶接

最後に訪れたのは下丸子の「共栄溶接」(マップ上の3番)。ステンレス、アルミ、鉄、インコネルなどなど、多様な金属を繊細に溶接する技術に定評がある工場です。

全て手仕事の溶接なので、機械には出来ない差厚・極薄溶接や非常に高度な技術を要するといわれるアルミ溶接が可能なのだとか。また、プロトタイプや小ロット製品にも対応しているそうです。

ここでも実際に溶接作業を見せてもらえることになりました。息子もプロテクターを被って準備万端。

溶接ってはじめて見たんですが、めっちゃ眩しい!!! もう、ありきたりだけど、プロテクターなしに見てたら「目がぁぁぁぁぁ、目があぁぁぁぁぁぁ!」ってなりそう by ムスカ。

ほんとにちょっとした力加減で、あの硬い金属がくっついてしまうのが、とても不思議でした。溶接に興味津々で、どうしてもここに来たかったという夫は、いろいろ質問とかしまくってて、とても満足そうでした。

工場内には、製作実績としてサンプル製品が展示されていました。どこを溶接したの??? というような匠の技を間近に見ることができて大興奮でした(夫が)。

「おおたオープンファクトリー」の感想と提案!

さて、ここでタイムアップ。16時となってイベントは終了。朝から私たちが回れた工場の数は11ヶ所。さすがに全部は回れませんでした。

ずっと徒歩移動だったので、最後はかなりヘトヘト。。でもふだん見ることのできない工場に入って、熟練の技術を見たり、感じたり、体験したりできたことは、本当に貴重な機会でした。

 

丸1日、工場見学をしてみて、気づいたこと、思ったことがいろいろあったので、備忘録と提言としてまとめておきます。

・徒歩移動は辛い。シェアサイクルみたいな仕組みがほしい!

うちはとくに子連れだったからかもしれないけど、とにかく疲れました。新田丸エリアは意外と広かった。広いエリアに工場が点在しているため、徒歩ですべて回りきるのは息子の体力が持たないと判断、泣く泣く見学を諦めた工場がいくつもありました。来年からは、できればシェアサイクルの仕組みをもっと整備してほしいと思いました(新田丸エリアは坂がないフラットな土地なので自転車だと動きやすいと思うの)

・もうちょっとイベント前のPRをがんばってほしい!

せっかくこんな気合いの入った希少なイベントなのに、事前のPRがちょっと弱いのでは……と感じました。だって知らなかったし! こんな楽しいイベントが7回目だなんて! まわりの大田区民に聞いても、多くの人が「知らない」という状態。ほんともったいない。。

あと、これは情報をフォローしてなかった私たちも悪いんですけど、事前申し込み制のワークショップとかがけっこうあって、当日参加できなくて悲しい思いをすることが多かったのも残念でした。なんかもっとこう、町全体が盛り上がるようなPRができればいいなと。本門寺のお会式ぐらいメジャーなイベントになってほしいものです。

・公式ガイドブックの内容も、もうちょっとがんばってほしい!

ほんと要望ばっかりでアレなんですけど、公式ガイドブックもいろいろ「もったいない」ポイントが多かったです。まず、日付の間違いとか時間帯の間違いとかが、誤植も含めかなり多かったです。例えば、プログラムスケジュールに掲載されてる「ドローン体験」の日時が、プログラム紹介ページの日時と違っていて混乱しました。

あと、内容についてももうちょっと各工場の説明をしっかり充実させてほしかったですね。参加者は、ぶっちゃけ工場に関してはどシロウトなわけです。「好きな工場に行って見てくださいね〜」って言われても、説明が30文字程度では、いったい何をやっている工場なのかさっぱりわからず、興味関心が湧きません。判型小さくしてもいいから、ページ数を増やして、参加者の興味関心をかきたてるような職人さんや社員さんの言葉(インタビューとまでいかなくていいけど一言ほしい)と写真点数を増やしてほしいんですけどどうですか。いや、なんなら私つくりますよ! インタビューしますよ!

あと、せっかく職人カードラリーとかもやるなら、集めたカードを貼り付けるコレクションページとかも作っておいてほしかったですね。そうすれば、イベント終わった後もガイドブックを捨てずに取っておきたくなるし、来年もまた行きたいってインセンティブも働くと思うんですよ。どうですかね。なんせ来年に期待してます。

・若者も大勢参加するんだからジョブ・フェア的な要素も入れたら一石二鳥!?

今回いちばん「もったいないな〜」って思ったのが、オープンファクトリーが文字通り工場見学で終わってしまっていたこと。もったいない。もったいないっすよ、運営のみなさん!

なぜって、私が見る限り、参加者はかなり若い人が多かったです。この時代に、こんなに多くの若者がものづくりに興味をもっているのか! とちょっと衝撃うけたぐらい。これだけ若者が興味もってきてくれてるんだから、これを「採用」につなげない手はないと思うんですけどどうですか。だめですか。

もったいないと思うのは、まず見学でそこの企業や工場の製品や技術に興味を持っても、ほとんどの工場に会社案内が用意されていなかったこと。社員の方からすっごく興味深いお話を聞いても、担当者のお名前がわからない。名札してないし、連絡先が明記された販促物とかもないんだもん。あとで連絡しようにもできない。

あと、オープンファクトリーなだけに、製品や技術の紹介ばかりにフォーカスしがちなんですが、参加者の中にはその製品や技術を「どんな人が」「どんな風に」「どんな思いで」作っているのか、を知りたい人もいると思うんです。はい、私ですね。いやだって、こんなすごい職人技を、どうやって身につけたかとか知りたいじゃないですか。1000分の1ミリの誤差もない研磨技術とか、おかしいですよ。機械より正確な手仕事って、それやばいでしょ!

なぜ彼は、その技術を身に付けようと思ったのか。何が、この仕事の魅力なのか。何が、そこまで彼を惹きつけたのか……。そういう職人技を支え続ける「ストーリー」が知りたいんですよ!!!!

体験ワークショップとかも良いのですが、次回は職人さんや社員さんの「なぜものづくりをするのか」という本音がきけるような時間とかがあったらいいなと思いました。

もう、気合い入りすぎてまた長くなってしまったので、いい加減おわりにします。

来年のオープンファクトリーも楽しみです!!!

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