【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。

ここのところ、Airbnb を使って小銭稼ぎができないか妄想している。
この記事を読んだからだ。

他人へ貸すために不動産を購入。「Airbnb」を使って1年間運用した私が学んだこと

もし東京に小さいマンションの一室を購入して、同じように運用したら、そこそこの稼ぎになるんじゃないか、と。

もちろん記事はラスベガスの話で、日本で同じことやっても上手くいく保証はないんだけど、単純に面白そうだなーと。というか、セブと日本を行ったり来たりする生活をする場合、日本滞在時に東京近郊に拠点があったら自分的にもスゴく便利なわけで。で、セブにいる間は人に貸す、と。

あとですね、もう一つ、Airbnb に興味を持ったきっかけがありまして、先日セブ留学中の日本人男性にお会いしたんですけども、彼がAirbnbに関する体験談がすごくおもしろかったんですね。彼は東京都内の住まいの一室を貸し出すために、Airbnbに登録したそうです。そしたら外人からガンガン予約が入りまくり、なんと月の4分の3ぐらいは外国人と同居する生活になってしまった、と。そこでは当然、英語でのコミュニケーションが必至なわけで、それもセブに留学した理由の一つなんだそうです。

その話をきいて俄然ヤル気になったんですけど、とはいえ私には不動産に関する知識は皆無に等しいので、不動産に詳しい某氏に上記のアイディアを伝えてアドバイスをお願いしてみた。

ちなみに、私が「こんなのどうかな?」と思ってピックアップした物件は、


■価 格 780万円
■所在地 東京都目黒区八雲
■最寄駅 東急東横線 都立大学駅 徒歩16分
■階 数 6階部分(最上階)
■築年月 1970年9月(築44年)
■専有面積 28.00m²(ワンルーム)
■その他 室内リフォーム済み(デザイナーズ)、管理人日勤
■平米単価 27.86万円
■管理費等 8,000円、修繕積立金 8,000円
■借地期間/地代(月額) 42年9ヶ月/3,120円

こんな感じ。某不動産サイトで探したんだけど、写真見る限り、かなりキレイにリフォームされてた。眺望もいい。
シロウト判断的には、かなりいい物件なんじゃないの? と思ってましたが、某氏からの返答は非常にシンラツなものでした。だいたいこんな感じ。

・ワンルームタイプで築後40年以上経過している耐震基準前の老朽マンション。
・価格が安いのは、敷地権が賃借権ですので地代の支払いが必要でその分安いのです。月3120円なら10年で374400円であり、30年とすると100万円超の金額となります。
・リノベーション済みとありますが、内装や設備だけでなく給水管、排水管の
交換がしてあるか確認ください。40年経過のRC作りの場合、
配管が階下の天井裏に有ることが多く、とくに給水管が鉄製の場合は
管が薄くなっていて漏水が起きて大事になります。
当方の所有物件でも実際に事故が起き、数十万円もかかりました。
・投資用としてのマンションは最寄駅からの所用時間で客付けが決まります。
7分以内がマストです。10分超では急激に客付けが難しくなり、
したがって価格もがくんと安くなるわけです。
・老朽マンションでは適切な修繕をしないと外壁に亀裂が入ったりします。
鉄部の塗装がきちんとしてるかどうかを見ると修繕状況の判定ができます。
また屋上の防水がきちんとなされているかもポイントです。
内装やキッチンの取り換えなどに惑わされずに基本的な所をみることです。
・管理費が高いところはそれなりのメンテナンスをしている場合が多いので、
管理費の安い所は敬遠すべきかと思います。
(高い管理費や修繕積立金をとっていてメンテが悪いのは論外です)
・水道が直結給水式であるかどうかもチェックポイントです。
高架水槽方式は金がかかり修繕積立金をくいつぶします。
・総合的な判断として、投資物件として購入するにはなんとも魅力がありません。
買うなら消費税が上がった後で叩いて叩いて買うべきとおもいます。
高いものつかみの感ありです。
なるほど。。。ちなみに「不動産で最も大事なことは現地で現物を見る事ですが、HP上からだけの判断になりますので御承知下さい」とのことですw
さらに Airbnb についても意見を求めてみたところ、某氏は「Airbnb では、物件の維持管理にかかる費用はオーナー持ちで、
運営側にほとんどコストが発生しない。運営する方は笑いが止まらないだろう」
と。要はプラットフォームを提供する者がめちゃくちゃ儲かる、と。そんな某氏は、すでに15年以上前、似たようなビジネスモデルで不動産事業をしていた。

とある企業が、年間数百人単位で訪れる海外からの研修生のアコモデーションに苦労していることを聞き、さっそく周辺のワンルームマンションを中心に
200室ほどの物件を借り上げ、専用のウェブサイトを作って物件情報を掲載。研修生の受け入れが決まると、企業側からウェブサイトを通じて人数とか期間の連絡がきて、某氏側は条件に合う部屋を提供(転貸)し、家賃収入をいただくという感じ。

このビジネスのキモは、大家さんとサブリース契約、つまり入居率にかかわらず、満室時の賃料の70%を支払う、みたいな契約で部屋を借り上げ転貸するという点。一見リスクが大きそうですが、年間数百人という安定した数の借り主がいて、家賃は実質、企業側が支払うわけですから、未払いリスクも低い。

ちなみに、企業側にもメリットがあります。研修生の受入企業は、研修生の宿舎を確保する義務があって、その場合、敷金・礼金等の初期費用は企業側が負担しなければなりません。(家賃や光熱費は研修生側が負担⇨研修手当から天引き)。

一方、研修生はだいたい数ヶ月〜半年ほどの短期間入居するケースが多く、既存の従業員寮などで十分な部屋数を確保できない企業にとって、
近隣のビジネスホテルとマンスリー契約したり、民間の賃貸アパートをいちいち初期費用を払って借りたりするよりも、こういう方式で部屋を確保できるのはありがたいわけです。

さて、某氏によれば、年間の入居率は90%前後。利益ベースで年間数千万円の利益が上がっていたとか。

もちろん、ワンルームに何人も押し込むいわゆるタコ部屋みたいなやり方ではなく、ちゃんと個室を与えて、専用の清掃チームも外注して快適な空間を提供していたとのこと。それでこれだけの利益が出ていたというからおどろきだ。

ちなみに研修生は、中国やインド、タイ、ベトナムなどから技術を学びに来る優秀な若者が多く、とくに賃貸にまつわるトラブル(騒音とか破損とか)はなかったそうだ。

これは「資金力」や「特定のお客さんのチャンネル」があるからできたことであり、ちょっと特殊な例かもしれないけど、それでも年間ウン千万円の利益ってすごいと思う。

……ところが。
この事業はわずか数年で打ち切られることになったそうです。なぜなら、企業側が「旅館業法に抵触する」ことを恐れて契約解除を申し出てきたからだそうな。どうやら、旅館業法の

■ 寝具を使用して施設を利用すること(法第2条)
⇨ 宿泊者が寝袋とかを持ちこんで泊まるのも該当するそうです

■ 反復継続の意思を持ち社会性を有して営業している 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること

(厚生省生活衛生局指導課長通知昭和61年3月31日衛指第44号「下宿営業の範囲について」)
⇨入居者が入れ替わるときに、施設の営業者が室内の清掃・リネン交換するのが該当する模様
うーん、微妙ですよね。。。どのへんがダメなんだろう。。。
でも企業としては、このご時世、ちょっとでもグレーな危ない橋はわたりたくないということか。
(ちなみに、契約打ち切りの背景には、アジアの各支店に研修機能が備わり、
現地で完結できるようになったことも大きいそうです)

一方、「賃貸がダメなら、旅館業のライセンス取ればいいじゃない」

って、マリー・アントワネットの声が聞こえてきそうですが、この旅館業法ってむちゃくちゃ厳しいんですよ。まず建築基準法とか消防法の適用を受けるので、そこに適合する施設に「改良」しないといけない。具体的にいえば、
部屋ごとにスプリンクラーを付けろとか、
非常口を何ヶ所設けろとか、
宿泊者の名前を記帳させろとか、
まあいろいろあるわけです。ほんと「誰得?」っていいたくなるほど、厳しいルールのオンパレード。
容易に新規参入なんてさせなくってよ。おほほほほ!
という高笑いがお上の方から聞こえてきそう。

なお、賃貸契約と旅館業のちがいについてはこの記事がわかりやすいです。
http://allabout.co.jp/gm/gc/413508/


マンスリーマンションとウィークリーマンションは、全く異なる契約になります。実はマンスリーはいわゆる賃貸契約に近く、ウィークリーはホテル業に近いものです。この区切りは、実は、明文化されていないのですが、厚生労働省の通達では「1~2週間程度という1か月に満たない短期間」ということを理由に旅館業に該当するとしています。「一カ月」というところが目安です。

なるほどねえ。それなら1ヵ月〜半年の単位で研修生を受け入れるのは問題ないと思うけどなあ。
いずれにしても「借地借家法」「旅館業法」は、
弱い立場の借主(利用者)の権利を過剰なまでに認めた法律
であるということ。
借り主や利用者は、この「鉄壁」のようなルールに守られているわけです。
でもね、たしかに借りたり利用したりする立場であるだけなら、ものすごくいい制度だけど、
ひとたびその鉄壁の向こう側に行こうとすると、もうその壁は超えられないぐらい高いわけです。
つまり、いち個人の新規参入がほぼ不可能な不可侵領域になってる。
そして、こうやって守られすぎているゆえに、借りる側も住まい方が制限される。
かんたんに部屋を借りたり、柔軟に住まいを替えることは難しい。
海外では家具付きですぐに住める部屋がいっぱいあるけど、
日本では家具付きだと旅館業に抵触するおそれがあるから(寝具の提供NG)ムズカシイ。
毎回、一時帰国のたびに東京での短期滞在に苦労する理由がわかったよ。。。

でも、それでもやっぱりなんか方法はあるんじゃないの?
と諦め切れずに調べていたら「一時使用目的の賃貸借」っていうのがあるんですね。
建物を賃貸借する場合には「借地借家法」(あと民法も)が適用されますが、
借地借家法にはこんな条項があるんです。


借地借家法 第40条
(一時使用目的の建物の賃貸借)
この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。

つまり、一時使用については借地借家法が適用されないってこと。
例えば週や日単位みたいな超短期の賃貸借については、この「一時使用賃貸借」という
形を利用すれば、適用される場合もあるってことですね。一時使用目的の建物賃貸借の例としては、各種イベントのための建物賃貸借、
リゾート地の別荘の賃貸借、建物の増改築のための代替建物として利用するための
仮住宅としての建物賃貸借などがあるそうです。
何をもってして「一時使用」と認められるかは、期間の長短というよりも、
当事者同士の合意とか、賃貸借の動機や目的、使用形態が
客観的に判断されるかどうかが大事みたいです。

この「一時使用賃貸借」なら、ゲストハウスの運営とかもできるんじゃないかなあ。
と思ったら、こんなサービスを発見。

京町家ステイ

1日の超短期の賃貸借契約を結んで、実質的にホテル業をしているのか。なるほど。
某氏に聞いたら「たぶんフロントに宅建主任者を置いているのではないか」とのこと。

そうか。これならシェアハウスとかゲストハウスの運営も、夢じゃないかもしれない。
ていうか、その前に物件を買えるぐらいのお金がないとなあ。

そんなわけで今日も元気に、捕らぬ狸の皮算用。
終わります。

2014.7.8 追記
続編、続々編も書きましたー。よかったら読んで下さい!
【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。〜その2
【旅館業法 vs 借地借家法】東京で airbnb を使って不動産の運用ができないか考察してみた。〜その3

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