シンポジウム「相続登記未了問題解決のために」で講演しました

2017年2月2日、シンポジウム「相続登記未了問題解決のために~空き家問題と震災復興から考える~」(主催:千葉県司法書士会)にパネリストとして参加しました。

このシンポジウムは、近年社会問題として注目されはじめた「相続登記未了」の実態にせまり、具体的な解決策を探ることを目的に開催されました。

「相続登記未了」の増加は、課税や国土の保全に影響があるほか、空き家問題の大きな原因の一つとも指摘されています。当日は、千葉県における相続未登記や空き家の実態・事例、またその対応策が多数の識者によって共有されました。

シンポジウムに参加させていただいたきっかけは、Yahoo! ニュース特集 で書いたこちらの記事です。

地権者は「ゴースト」 所有者不明地という日本の難題
増える空き家、「スラム化」する老朽マンション 撤去費用を支払うのは誰か

東日本大震災の復興を阻む「相続登記未了問題」や、全国で増加し続ける「空き家問題」を取り上げた記事は、非常に多くの方々に読まれ、大きな反響を呼びました。そして記事を読んだ千葉司法書士会の山田達郎氏から連絡をいただき、今回のご縁につながりました。

基調講演は、東京財団の研究員/政策プロデューサーの吉原祥子さん。上記の記事で取材をさせていただいたこともあり、シンポジウムへのご登壇をお願いしました。吉原さんは「相続登記未了」の問題を長く研究されており、2017年7月には著作も発表されています。

「人口減少時代の土地問題」

私は「マンション老朽化と相続登記未了〜今後、顕在化する可能性のある事例とともに」と題した発表を行いました。

講演では、取材で訪れた岩手県・大槌町、福島県・大熊町の事例のほか、危険な空き家を行政代執行で解体した事例を紹介。また、マンションの老朽化により、今後はマンションにも相続登記未了の問題が波及する可能性についても言及しました。

相続登記がなされないまま「所有者不明」となった土地や、放置された空き家が増え続ければ、徴税や国土の保全に大きな影響が出ます。また、老朽化したマンションの解体費用を誰が負担するのか、といった新たな問題も顕在化していくでしょう。

今回シンポジウムに参加して、これらの問題には行政と法律の専門家、そして個人が危機意識を持ち、連携しながら対応すべきだとあらためて感じました。

記事執筆だけでなく、講演のご依頼も受け付けています。お問い合わせはこちら

 

 

コメントを残す

CAPTCHA