本日は、私たちの通う学校が位置する「ITパーク」について紹介します。
ITパークの正式名称(?)は「アジアタウン・ITパーク」というらしいです。もともとはIT関連サービスに特化した外資企業を誘致するために構想され、2001年にフィリピン経済区庁(Philippine Economic Zone Authority=PEZA)に指定経済区域に認定されたビジネスパークです(※1)。
ITパークは、マクタン国際空港から車で約20分、セブシティの中心地から北に3キロほど離れたところに位置しています。総面積約24ヘクタールという広大な敷地内には、eコマース等のソフト開発会社、IT関連リサーチ企業、コールセンター、ISP、そしてオンライン英会話学校などのロケイターが数多く入居しています。
日系の企業も多く、QQイングリッシュをはじめ、NECテレコム ソフトウェア フィリピン、常石テクニカルサービス フィリピン、エプソン ソフトウェア エンジニアリング フィリピンなどが進出しているようです。
2005年頃からは、おもに北米企業のコールセンター事業のオフショア拠点として注目が高まり、雇用の拡大やオフィス・住居の建設ラッシュが続いています。エリア内にはスタバをはじめとする外資系コーヒーチェーンやファーストフード、コンビニのほか、おしゃれなレストラン、バー、ベーカリーなどが揃っていて便利。あと、クラブ(≒ディスコ)もあって週末は大勢の若者たちでにぎわうそうです。
(以上、ITパークのウェブサイト参照/http://asiatownitpark.com)
日本でいうなら「新宿副都心」みたいなもの?
ところでこのITパーク、開発前はなんと飛行場だったそうですよ。なんだかどうりで敷地が縦長だな〜と思ってたらそういうことでしたか。
かつてはラホグ飛行場と呼ばれ、日本の支配下にあった太平洋戦争時には、あの神風特攻隊の基地としても利用されていたのだとか。
その後、廃港となった飛行場をフィリピン有数の大財閥アヤラグループが買収。当初「Asia Town」として再開発がはじまったエリアは「IT PARK」と名を変え、現在も周辺ではオフィスビルや高層コンドミニアムの開発が続いてます。
ちなみにこの「アヤラグループ」は、アジアで最も古い歴史を持つ財閥とのこと。スペイン系の血統を持つドン・ドミンゴ・ロハスとドン・アントニオ・デ・アヤラが1834年に綿花や砂糖などの栽培・取引を行う会社を設立したことがはじまり(フィリピンは300年ぐらいスペインの占領下にありました)。
彼らは農場や炭鉱、アルコール製造など事業を次々と拡大。戦後は不動産開発のアヤラランド社、フィリピン・アイランズ銀行をはじめ、自動車や食品、小売、エレクトロニクス企業等をグループ傘下に。さらに、最近はシンガポール・テレコム社との合弁でグローブ・テレコム社を設立するなど、巨大な財閥へと成長を遂げています。
セブなら超都心の高級コンドミニアムが500万円で買える!?
ちなみにITパークからタクシーで10分ぐらいのところにある巨大モールもアヤラグループの参加です。その名も「アヤラモール」。モール内の至るところで、系列子会社のアヤラランドが開発中のコンドミニアムの販促活動が行われているのですが、先日、興味本位でパンフレットをもらってみました。
http://www.avidaland.com/properties.php?id=3167&Avida_Towers_Cebu
ITパークに隣接する敷地に建設中で、通学時はいつもここの前を通ります。部屋はワンルーム&1LDKが中心で、価格帯は日本円で約500〜600万円ぐらい(1ペソ=2.0円換算)。
日本で言ったら、六本木ヒルズのレジデンスとかそういうレベルなんだろうから、安いです。完成は2013年とのこと……なんですが、工事の進み具合は非常にゆっくりです。ほんとうに来年建つのかなー? と人ごとながら心配してしまいます。なんせ、全室売り切れですからね。すでに。パンフレットを眺めていると、お金持ちでもなんでもないくせに
「安いなあ。いっちょコンドミニアムでも買ってみるか!」
みたいな気になってくるから不思議です。ほとんどモノポリのノリです。
というわけで本日は以上です。
※1……フィリピン政府は、積極的に外資を呼び込むため、進出企業に対してさまざまな優遇措置を用意している。その一つが規模の大小を問わず外国企業の誘致のための活動を行うフィリピン経済区庁(PEZA)だ。PEZAが定める条件を満たし、経済特区内に進出を認められた外国企業は、
・4〜8年間の所得税免税期間の付与
・機械設備、予備部品、消耗品、原材料の輸入時の関税および諸税の免除
・外国人投資家およびその家族に対する永住居住ビザの付与
・総売り上げの30%までのフィリピン国内販売が可能……etc
・外資100%での法人設立などの優遇装置が受けられるのだとか。詳細はPEZAのウェブサイトを参照のこと。http://www.peza.gov.ph/
※ フィリピン不動産投資については、詐欺みたいな話も死ぬほどあります。転ばぬ先の杖として、こういう本を呼んでフィリピンの税務の基礎を勉強しておきましょうw