Photo:Takeshi Wakabayashi © UNITED ARROWS LTD.
全国にセレクトショップを展開するユナイテッドアローズが運営するメディア『ヒトとモノとウツワ』にて記事を書きました。
“誰もが楽しめる服作り”へ「041」の挑戦。キーパーソンのふたりが語る、開発ストーリー。
病気や障がいの有無を問わず、誰もがおしゃれを楽しめる社会を目指すプロジェクト『UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS(ユナイテッド クリエイションズ オーフォアワン ウィズ ユナイテッドアローズ)』。このプロジェクトは、社会起業家集団「Social WEnnovators」とユナイテッドアローズのコラボレーションで実現しました。
記事では、「Social WEnnovators」メンバーで電通の社員でもある澤田智洋さん、そしてユナイテッドアローズ クリエイティブディレクション担当 上級顧問・栗野宏文さんが開発の経緯からプロジェクトの未来までを語っています。私はおふたりの対談の構成を担当しました。
「誰か一人」を起点にソーシャルなプロダクトをつくる
「Social WEnnovators」は、“顔の見えない大勢”ではなく“具体的な誰か一人”の課題を起点に、ソーシャルなプロダクトやサービスを生み出す試みプロジェクトに取り組んでいます。すでに「スポーツ」や「電車移動」をテーマに、新しいサービスの開発を実践しているそうです。その第3弾として「ファッション」をテーマに始動したのが、今回のプロジェクトです。
なぜなら、病気などで身体の機能に障がいを抱える人たちの多くが、「着ること」に悩みを抱えているからです。日常的に車いすで生活していたり、着替えに介助が必要だったりすると、衣服には”おしゃれ”よりも”機能”を優先せざるを得ないからなんですね。
たとえ障がいがあっても、おしゃれを楽しめる洋服があったらいいのに――。そんな思いをきっかけに、このプロジェクトが始まったそうです。
興味深いのは、一人のニーズを深掘りすることで、多くの人々のニーズに応える新しいプロダクトを生み出そうという視点です。現代型のものづくりである「マス・マーケティングに基づく大量生産」とは真逆のアプローチから、まったく新しい衣服が生まれる。おふたりが語るその過程を聞きながら、聞き手の私もとてもワクワクしました。
「つくってあげる」ではなく「一緒につくる」
プロジェクトがどのようなプロセスで進んでいったのかは、ぜひ記事を読んでいただきたいのですが、とても印象に残ったところを一部だけ紹介します。
澤田:(中略)ユナイテッドアローズのチームのみなさんにはこんなお願いをしたんです。「できれば、服作りの対象となる障がい者の方と友達になってください」と。トップダウンで服を作ってあげるのではなく、友達の悩みを解決するために力を貸す、というフラットな立ち位置で参加してほしかったんです。やっぱり、友達にならないと抽出できない悩みとか課題ってあるじゃないですか。
栗野:「一緒に作る」というスタンスが大事ですよね。友達の悩みを解決し、その人が笑顔になったら、自分もうれしい。誰かのためなんておこがましい。自分が楽しいからやる。僕自身は、そういう自分貢献に近い感覚でプロジェクトに取り組んでいました。おそらくチームのメンバーたちも、みな同じ気持ちだったと思います。
「つくってあげる」のではなく「いっしょにつくる」。「社会貢献」というより「自分貢献」。そういう自然な感覚こそが、インクルーシブな社会に近づくためにとても重要なんだろうな、と思いました。
© UNITED ARROWS LTD.
今回、ご紹介したユナイテットアローズは、こちらから購入できます(受注生産方式)
ひとりを起点に、新しいファッションを作る。『UNITED CREATIONS』
『UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS』のプロダクトを紹介した記事 もぜひご覧ください。
誰もが“着ること”を楽しめる社会へ。「041」の新たな挑戦が始まります。